参拝日:平成29年6月17日、令和4年9月29日
岩間山正法寺(いわまさんしょうほうじ)滋賀県大津市にある真言宗醍醐派の寺院。西国三十三所第十二番札所です。ぼけ封じと雷除け、厄除けに御利益のある静かなお寺です。
正法寺の基本情報
- 御本尊:千手観世音菩薩
- 宗派:真言宗醍醐派
- 山号:岩間山
- 創建:伝・養老六年(722)
- 開山:伝・泰澄
- 元正天皇勅願寺
- 正式名称:岩間山正法寺
- 別称:岩間寺
- www.iwama-dera.or.jp
- 住所:滋賀県大津市内畑町82
- アクセス:JR石山駅、京阪電車石山駅より京阪バス(52)(53)(54)系統 中千町 下車徒歩約50分
正法寺について
養老六年(722)元正天皇の勅願寺として泰澄大師が建立しました。往昔には、後白河・後宇多・正親町天皇等歴代天皇の尊崇厚く熊野、吉野に並ぶ日本三大霊場の一として興盛していました。
札所
西國三十三所第十二番
- 御真言:おん ばざら たらま きりく そわか
- 御詠歌:水上(みなかみ)はいづくなるらん岩間寺 岸打つ波は松風の音
ぼけ封じ近畿十楽観音霊場第四番
びわ湖百八霊場第二番
正法寺の伽藍
お迎え樅
駐車場の横に推定樹齢200年、樹高18mの樅の木がありました。
十楽観音(ぼけ封じ観音)
写真中央の観音様がぼけ封じ十楽観音の御本尊です。ぼけ封じをはじめ、無病息災、寿命円満、心身堅固の願いに応えて頂けます。手前に佛足石がありますが、その下に近畿十楽観音道場のお砂が納められています。
鐘楼
現在の梵鐘は平成二年に鋳造され鐘楼も建立されました。
白姫竜神
開山泰澄大師が加賀の白山で修行中に白山妙理大権現に会われ、岩間寺に白姫龍神を勧請されました。女性がこちらの神様を崇めると美女になると伝えられています。
仁王像
岩間寺には山門がなく仁王像に迎えられ参拝します。
火伏の銀杏
樹齢350年と伝わる大銀杏です。御存知の方も多いのかもしれませんが、イチョウをはじめとしてサンゴジュ、シイ、ナラ、モチノキ、サザンカ等の樹木は枝葉に含む豊富な水分によって火を防いでくれるそうです。
稲妻龍王社
稲妻龍王は、岩間山の護法善神で、火伏の銀杏に住んでいます。水を司り雷難・火難を除き大魔から守って頂けます。
大師堂
岩間山開山泰澄大師(別名を越の大徳または金鎮大師という)と真言宗宗祖弘法大師が祀られています。
手水舎
本堂
御本尊である千手観世音菩薩は、元正天皇の御念持仏で三重の厨子の中に安置されている秘仏です。毎夜日没時に厨子を抜け出て百三十六地獄を駆け巡って人々を救済し、日の出とともに岩間山へ戻ってきます。戻った時には汗みずくとなっているといわれ、「汗かき観音」とも呼ばれています。他に「雷除観音」「厄除け観音」とも呼ばれています。
夫婦桂
開山泰澄大師がこの地を訪れた時、桂の大樹から千手陀羅尼経が聞こえました。その桂の木で等身大の千手観世音菩薩、吉祥天、婆蘇仙人を刻み千手観世音菩薩の胎内に元正天皇の御念持仏を納め御本尊としました。桂の木を刻んだ後の切り株から再び生えた桂の木が霊木とされています。現在の夫婦桂は、2代目のひこばえで3代目になります。
護法龍王堂拝殿
岩間寺の山中に鎮座されている護法善神「九頭竜竜王」「白竜竜王」「七面弁財天」をお祀りしており、長寿の御利益が頂けます。
お砂ふみ道場
西国三十三所本堂前のお砂が各石仏の前の礼拝石の下に埋められています。三十三所のお砂踏みを参詣すると本堂納経所で満願印がいただけます。
八大龍王堂
八大龍王とは難陀・跋難陀・娑迦羅・和修吉・徳叉伽・阿那婆達多・摩那斯・優鉢羅の各竜王のことで、水を司る神です。
長寿桂
祠のうしろが長寿桂です。樹齢500年以上、宇治市名木百選に選ばれています。
芭蕉の池
松尾芭蕉がこちらの池で「古池や蛙飛びこむ水の音」の句を詠んだといわれています。
三十三所観音堂
本堂と不動堂の間に観音堂があります。西国三十三所の各御本尊の小像が祀られています。
不動堂
こちらの不動三尊像(不動明王・矜羯羅童子・制多迦童子)は平安中期の作で重要文化財です。他に薬師如来坐像(藤原期)、阿弥陀如来坐像(藤原期)を安置しています。
五社権現堂
五社権現は岩間山の護法善神です。熊野大権現(那智山)本地は阿弥陀如来、蔵王大権現(吉野金峯山)本地は弥勒菩薩、白山妙理大権現(加賀白山)本地は十一面観世音菩薩、瀧蔵大権現(大和長谷寺)本地は薬師如来、清瀧大権現(岩間山・醍醐山)本地は如意輪観世音菩薩又は善女竜王で岩間山の地主神です。
御朱印
西国三十三所観音霊場